クイックサマリー
- 中心テーマ
- 完成された形より、制作行為と物質が生じる過程・痕跡を画面の中心に置く。
- 主要素材
- 油彩、砂、石粉、布、紙、樹脂。
- 空間表現
- 全面的な物質と痕跡が、図と地の安定した区別を崩す。
- 鑑賞環境
- 戦後欧州の展覧会観衆、批評家、抽象絵画の収集家、同時代の国際作家。
名称の由来
「アンフォルメル」はフランス語で「非定形」や「形を持たない」を意味します。批評家ミシェル・タピエが1950年代初頭に、既成の形式を離れた戦後欧州の抽象表現を示す語として広めました。
- 原語
- Art informel
- 語義
- 非定形の美術
- 命名
- ミシェル・タピエ
- 文脈
- 1950年代初頭の展覧会と批評による命名
思想と歴史的背景
中心となる考え
完成された形より、制作行為と物質が生じる過程・痕跡を画面の中心に置く。
社会的背景
主な主題
何が新しかったか
転換したこと
幾何学抽象の秩序、古典的均衡、中心化された構図。
継承したこと
シュルレアリスムの自動性、表現主義、物質実験、戦前抽象。
視覚的特徴と技法
見た目の特徴
非定形、盛り上がる凹凸、染み、傷、反復する身振り、中心のない構図。
構図・空間
全面的な物質と痕跡が、図と地の安定した区別を崩す。
色彩・光
土色、灰、黒、白と物質の吸収・反射を重視する。
技法
厚塗り、擦過、混合技法、砂・布の混入、自動的筆触。
媒体・素材
油彩、砂、石粉、布、紙、樹脂。
制作と受容
ミシェル・タピエらの批評と企画展、画廊、雑誌、国際展を通じて「別の芸術」として流通した。
芸術家の社会的地位
宣言を共有する単一組織ではなく、批評家が戦後欧州の異なる作家を横断的にまとめた制作傾向。
制作制度
個人アトリエでの絵画・混合技法を中心に、批評、画廊展、国際展が緩やかなまとまりを作った。
パトロン・注文主
パリを中心とする画廊、戦後美術の収集家、美術館、国際展主催者。
主な鑑賞者
戦後欧州の展覧会観衆、批評家、抽象絵画の収集家、同時代の国際作家。
主要作家
- アントニ・タピエス
Antoni Tàpies
砂、粉、傷、記号を厚い画面へ組み込み、戦後の物質絵画を展開した。
- ジャン・フォートリエ
Jean Fautrier
厚い絵肌と断片的な像で戦争期の身体と記憶を表した。
代表作品
鑑賞ガイド
鑑賞ポイント
- 01身振りと物質を分けて見る
- 02抽象表現主義との同時代性と地域差を比べる
- 03包括語で作家差が消えないようにする
検索用キーワード物質、身振り、戦後欧州、タシスム、非定形
出典
対象地域はフランス、スペイン、イタリア、汎ヨーロッパです。記述は以下の美術館・研究機関等の資料に基づきます。
- Art of Another Kind: International Abstraction, 1949-1960↗
Solomon R. Guggenheim Museum
美術館・信頼性:高・参照日 2026-07-30
対応する記述:アンフォルメルの反幾何学、物質、国際的広がり
- Antoni Tàpies, Anular↗
The Museum of Modern Art
美術館・信頼性:高・参照日 2026-07-30
対応する記述:アンフォルメルと物質絵画、タピエスの素材