クイックサマリー
- 中心テーマ
- 荘重さより、優美・機知・官能・親密さ。愛や遊戯といった私的な主題を軽やかに描く。
- 主要素材
- カンヴァス・油彩、漆喰・金・磁器。
- 空間表現
- 室内装飾と一体化した親密な空間、庭園や田園の遊戯的情景。
- 鑑賞環境
- 貴族・上流市民の私的な社交空間。
名称の由来
「ロココ」は岩や貝殻を用いる装飾を指すフランス語 rocaille と結びつく名称です。18世紀の装飾趣味を示す語として、主に後世の批評と様式分類で定着しました。
命名の細部には幅があるため、確認できる一般的な説明を示しています。
- 原語
- Rococo / rocaille
- 語義
- 岩や貝殻を用いた装飾
- 文脈
- 装飾用語から18世紀美術の様式名へ発展
思想と歴史的背景
中心となる考え
荘重さより、優美・機知・官能・親密さ。愛や遊戯といった私的な主題を軽やかに描く。
社会的背景
政治的背景
主な主題
何が新しかったか
転換したこと
ルイ14世期のバロックの荘厳・威圧に対し、軽快で私的な装飾性で応じた。
継承したこと
バロックの動勢と色彩を受け継ぎつつ、軽量化・私的化した。
視覚的特徴と技法
見た目の特徴
曲線的・非対称の装飾、淡いパステル、優美な人物、軽やかな筆致。
構図・空間
室内装飾と一体化した親密な空間、庭園や田園の遊戯的情景。
色彩・光
淡いピンク・水色・金の柔らかな色調、拡散した明るい光。
技法
軽い筆触による層塗り、漆喰装飾、家具・室内の一体設計、湿式壁画。
媒体・素材
カンヴァス・油彩、漆喰・金・磁器。
制作と受容
邸館の室内装飾やサロンでの展示、アカデミーのサロン展。
芸術家の社会的地位
アカデミー会員・宮廷画家として活動する一方、女性のパトロン(ポンパドゥール夫人)も重要だった。
制作制度
アカデミー、宮廷・貴族の注文、装飾工房。
パトロン・注文主
貴族、宮廷、富裕な収集家、女性のパトロン。
主な鑑賞者
貴族・上流市民の私的な社交空間。
主要作家
- アントワーヌ・ヴァトー
Antoine Watteau
雅宴画(フェット・ギャラント)という新ジャンルを確立し、優美で憂いを帯びたロココの叙情を生んだ。
- ジャン=オノレ・フラゴナール
Jean-Honoré Fragonard
軽やかで官能的な筆致でロココ後期を代表する画家。《ぶらんこ》など私的享楽の主題で知られる。
代表作品

作品 02

ぶらんこ(幸運なる偶然)
Les Hasards heureux de l'escarpolette
茂みの中でぶらんこに乗る女性と、それを見上げる男性を軽やかで官能的な筆致で描く。私的享楽と機知に富むロココ後期の象徴的作品。
- 作者
- ジャン=オノレ・フラゴナール
- 制作年
- 1767年頃
- 素材・技法
- カンヴァス・油彩
- 所蔵先
- ウォレス・コレクション(ロンドン)
画像の権利・出典情報。作品詳細で確認
鑑賞ガイド
鑑賞ポイント
- 01バロックの荘重さとの差(軽さ・私性)を対比する
- 02装飾と絵画が一体化した空間を意識する
- 03次の新古典主義がこれを何として否定したかを考える
検索用キーワードロココ、雅宴、サロン、装飾、パステル、ポンパドゥール
出典
対象地域はフランス、ドイツ・中央ヨーロッパです。記述は以下の美術館・研究機関等の資料に基づきます。
- Rococo↗
Tate
美術館・信頼性:高・参照日 2026-07-23
対応する記述:ロココの装飾性・宮廷文化・バロックへの反応