制作傾向

新表現主義

Neo-Expressionism

大画面の身振り、人物、歴史、神話を復活させ、1970年代末から国際的に注目された絵画傾向。

年代
1977年頃 - 1988年頃
地域
ドイツ・中央ヨーロッパ、アメリカ、イタリア
主な都市
ケルン、ベルリン、ニューヨーク、ローマ
確認状態
情報確認状態:確認済み
別名・関連名称
ネオ・エクスプレッショニズム

クイックサマリー

中心テーマ
絵画の物質性と図像を再び前面化し、歴史・身体・記憶を主観的に扱う。
主要素材
油彩、藁、鉛、木、写真、カンヴァス。
空間表現
大画面に断片的な図像を積層し、身体的なスケールを作る。
鑑賞環境
展覧会の観衆、批評家、作家、学生、収集家、および各実践が関わった地域社会。

名称の由来

先行する表現主義の身振りと主観性の「新たな」回帰を示す批評的な総称で、地域ごとの自己命名ではない。

命名の細部には幅があるため、確認できる一般的な説明を示しています。

原語
Neo-Expressionism
語義
新しい表現主義
文脈
1970年代末から1980年代の国際批評・市場

思想と歴史的背景

中心となる考え

絵画の物質性と図像を再び前面化し、歴史・身体・記憶を主観的に扱う。

社会的背景

冷戦末期、国際市場、展覧会の大型化、戦争記憶の再検討が背景。

主な主題

歴史、神話、国家、身体、都市、戦争記憶。

何が新しかったか

転換したこと

ミニマリズム、コンセプチュアルの非物質性と匿名性。

継承したこと

ドイツ表現主義、抽象表現主義、歴史画、アルテ・ポーヴェラ。

視覚的特徴と技法

見た目の特徴

荒い筆触、厚い絵肌、巨大な人物、象徴、文字。

構図・空間

大画面に断片的な図像を積層し、身体的なスケールを作る。

色彩・光

濁った土色、強い原色、焦げたような暗部。

技法

厚塗り、描き直し、混合素材、引用。

媒体・素材

油彩、藁、鉛、木、写真、カンヴァス。

制作と受容

美術館展、ドクメンタ、画廊市場を通じて国際的傾向として構成された。

芸術家の社会的地位

個人作家の実践を批評・展覧会・教育が結びつけたまとまりで、固定した会員組織とは限らない。

制作制度

国際展、ケルン・ニューヨークの画廊、市場、批評。

パトロン・注文主

同時代の美術館、画廊、批評家、収集家、出版・教育機関。地域と時期による差がある。

主な鑑賞者

展覧会の観衆、批評家、作家、学生、収集家、および各実践が関わった地域社会。

主要作家

  • アンゼルム・キーファー

    Anselm Kiefer

    ドイツ史、神話、戦争記憶を藁・鉛・厚い絵肌の大画面に重ねた新表現主義の代表作家。

代表作品

  1. 作品 01

    シュラミート

    Sulamith

    記念建築を暗い焼却空間へ変え、詩、国家神話、ホロコースト記憶を重い物質へ刻む。

    作者
    アンゼルム・キーファー
    制作年
    1983年
    素材・技法
    油彩、乳剤、木版、カンヴァス
    所蔵先
    複数館で関連作を所蔵

    画像は権利確認後に収録予定。作品詳細で確認

    1. 作品 02

      マルガレーテ

      Margarethe

      詩とホロコースト記憶を藁・灰色・文字へ重ね、歴史を物質的な絵画として扱う。

      作者
      アンゼルム・キーファー
      制作年
      1981年
      素材・技法
      油彩、乳剤、藁、カンヴァス
      所蔵先
      Saatchi Collectionほか

      画像は権利確認後に収録予定。作品詳細で確認

後世への影響

後世に残したもの

1990年代以後の具象絵画と歴史表象へ継続的な影響を持つ。

絵画復権という市場言説と、歴史を描く必要性を分けて考えられる。

この運動へ

  • ミニマリズム反発

    新表現主義はミニマリズムの匿名的な幾何学と抑制に対し、人物・歴史・身振りを大画面へ戻した。

  • 新表現主義はコンセプチュアルの非物質性に対する絵画回帰として語られたが、単純な終焉ではなく並存した。

鑑賞ガイド

鑑賞ポイント

  1. 01新表現主義を単一の様式ではなく、成立した制度と時代背景から見る
  2. 02名称が当事者の自己命名か、批評・後世の分類かを区別する
  3. 03近接する運動との共有点と差異を、技法・媒体・流通から比較する

検索用キーワード絵画復権、身振り、歴史、図像、1980年代

出典

対象地域はドイツ・中央ヨーロッパ、アメリカ、イタリアです。記述は以下の美術館・研究機関等の資料に基づきます。

  1. Art since 1945: Developments, Diversity, and Dialogue↗

    Guggenheim Museum Bilbao

    美術館・信頼性:高・参照日 2026-08-30

    対応する記述:1970年代末以降の新表現主義と戦後欧州美術

  2. Expressionism↗

    Tate

    美術館・信頼性:高・参照日 2026-07-23

    対応する記述:表現主義の主観的感情・歪曲